2021年01月25日

惑星に関する問題

2021年 灘中学の問題です。

太陽のまわりには,私たちの住む地球をふくめて8つの大きな天体が存在し,惑星と呼ばれます。惑星は太陽に近いものから順に,水星,金星,地球,火星,木星,土星,天王星,海王星と名付けられています。
 おおまかには,これらの惑星は太陽を中心にして,同一平面上を同じ方向に,それぞれ異なる一定の速さで円をえがいてまわっていると考えることができ,この動きを公転といいます。また,惑星が太陽のまわりを一周して元の位置に戻ってくるまでの時間を公転周期といい,地球の公転周期は1年です。公転周期は,太陽に近い惑星ほど短く,太陽から遠い惑星ほど長くなっています。太陽に最も近い水星の公転周期は0.24年で,太陽から最も遠い海王星の公転周期は165年にもなります。

問1 次の5つの惑星ア〜オのうち,地球で真夜中に観測することができないものをすべて選び記号で答えなさい。
ア 水星   イ 金星   ウ 火星   エ 木星   オ 土星

問2 図1の2つの円は,金星と地球の公転の道筋です。図1のように太陽ー金星ー地球の順で一直線に並んだときから,次に太陽ー金星ー地球の順で一直線に並ぶまでに,1.6年かかります。金星の公転周期は何日ですか。1年を365日とし,小数第一位を四捨五入して整数で答えなさい。

nada3.jpg

問3 地球と火星について,太陽ー地球ー火星の順で一直線に並んだときから,次に太陽ー地球ー火星の順で一直線に並ぶまでに,2.2年かかります。また,図2のように太陽ー金星ー地球ー火星の順で一直線に並んだときから,次に太陽ー金星ー地球ー火星の順で一直線に並ぶまでに,17.6年かかります。この17.6年の間で,太陽と地球と惑星が一直線に並ぶとき,次のア〜ウのうち起こりうる並び方をすべて選び記号で答えなさい。

nada4.jpg

  ア 金星ー太陽ー地球ー火星  イ 地球ー太陽ー金星ー火星  ウ 火星ー太陽ー金星ー地球

問4 次の文中の(   )の中からあてはまるものをそれぞれ選び記号で答えなさい。
 『太陽と地球と惑星が一直線に並んでから再び一直線に並ぶまでの時間は,1(ア太陽 イ地球)に近い惑星ほど2(ア長く イ短く)なり,1から遠い惑星ほどその逆になる。また,地球以外の7つの惑星のうちでは,太陽3(アに近い イから遠い〉惑星ほど,その時間は1年に近くなる。』

【解説と解答】
問1 内惑星(地球より太陽に近い惑星)ですから水星と金星です。
(答え)ア,イ
問2 地球の周期は1年、金星の周期を【1】年とすると、1/【1】−1=1/1.6=5/8
より1/【1】=13/8から【1】=8/13より365×8/13=224.61から225日。
(答え) 225
問3
16と22の最小公倍数は2×8×11=176ですから17.6年でこの周期がおきます。
金星が地球の反対側にいて地球と一直線になるのは、180÷(1.6−1)=300日だから、0.8年で、そこから1.6年ずつだとすると
地球と金星が半周ずれる周期は、0.8、2.4、4.0 5.6 7.2 8.8 10.4 12 13.6 15.6 17.2
地球と火星が一致する周期は、2.2 4.4 6.6 8.8 11.0 13.2 15.4 17.6
で8.8年後におきます。
地球と金星が一致する周期は 1.6 3.2 4.8 6.4 8.0 9.6 11.2 12.8 14.4 16.0 17.6
地球と火星が半周ずれる周期は 1.1 3.3 5.5 7.7 9.9 12.1 14.3 16.5
は一致しません。
したがってア
(答え)ア
問4 地球との差ですから地球に近いほど長くなり、太陽から遠い惑星ほど1年に近づいていきます。
(答え)1 イ 2 ア 3 イ
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2015年01月25日

水溶液に関する問題



アルミニウム、石灰石、鉄の3種類の物質に、それぞれうすい塩酸または水酸化ナトリウム水溶液を加えたところ、気体を発生してとけました。このときの、とかした物質の重さと発生した気体の体積の関係について調べました。



(実験1)アルミニウム3gにうすい塩酸を加えて全部とかしました。このとき、気体Aが3.6L発生しました。

(実験2)アルミニウム3gに水酸化ナトリウム水溶液を加えて全部とかしました。このとき、気体Bが3.6L発生しました。

(実験3)石灰石25gにうすい塩酸を加えて全部とかしました。このとき、気体Cが5.6L発生しました。

(実験4)鉄7gにうすい塩酸を加えて全部とかしました。このとき、気体Dが2.8L発生しました。

問1 気体A〜Dの中で1つだけ異なる気体があります。その異なる気体はどれですか。A〜Dで答えなさい。また、その異なる気体の名称を答えなさい。

問2 実験1で発生した気体Aを集めるのに、もっとも適当な方法を下の図から選び、ア〜ウで答えなさい。

問3 実験1で発生した気体Cについてあてはまることがらを選び、ア〜ウで答えなさい。
ア 空気にふくまれる気体の中で、もっとも量が多い。
イ 水を加熱したときに発生する気体である。
ウ この気体と水をペットボトルに入れ、ふたを閉じてよくふるとペットボトルがへこむ現象がみられる。
エ 植物が日光に当たったときにつくる気体である。
オ 無色で、つんとした刺激のあるにおいがする気体である。

問4 アルミニウム10gと鉄10gに、それぞれうすい塩酸を加えて全部とかしました。そのとき発生する気体の体積は、アルミニウムと鉄のどちらの方が大きくなりますか。また、その差は何Lですか。

問5 重さの合計が110gになる石灰石と鉄があります。それぞれにうすい塩酸を加えて全部とかしました。このときに発生した気体の体積の合計は30.8Lでした。はじめにあった鉄の重さは何gですか。

問6 うすい塩酸50mLを入れた容器を5つ準備しました。それにアルミニウムを1g、2g、3g、4g、5gと重さを変えて加え、発生した気体の体積をそれぞれはかりました。アルミニウムの重さと発生した気体の体積は蒙のような結果になりました。また、この表の値をグラフに点で示したところ図1のようになりました。このうすい塩酸100mLにアルミニウム20gを加えた場合、とけないで残っているアルミニウムは何gですか。







【解説と解答】
問1
石灰石に塩酸をかけると、二酸化炭素が発生します。それ以外は全部水素が発生しています。
(答え)C 二酸化炭素

問2
気体Aは水素ですから、水上置換で集めます。
(答え)ア

問3
気体Cは二酸化炭素ですから、ウ。水に溶けるので、外気圧が強くなります。
(答え)ウ 

問4
実験4で鉄を3gにすると、発生する水素は2.8÷7×3=1.2Lなので、アルミニウムの方が発生し、その差は
3.6−1.2=2.4Lです。問題は10gで聞いているので2.4÷3×10=8Lです。
(答え)アルミニウム 8L

問5
全部石灰石であれば110÷25×5.6=24.64L
差は30.8−24.64=6.16L 鉄は1gについて0.4Lで、石灰石は5.6÷25=0.224Lですから、
6.16÷(0.4−0.224)=6.16÷0.176=35が鉄の重さになります。
(答え)35g

問6
表から1gあたり1.2L増えるはずですが、3gのところで3.0Lになっているので、3.0÷1.2=2.5gしか溶けないことがわかります。
100mLの場合、その2倍で5gしか溶けないので、溶け残るアルミニウムは20−5=15gです。
(答え)15g



「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)




ラベル:水溶液
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2012年06月20日

溶解度の問題

2011年 灘中学の問題



上の表は、固体Aおよび固体Bが、それぞれ水100gに溶ける重さを表したものです。なお、この問題では水にAとBが溶ける重さは互いに影響を与えないものとします。すなわち、40℃の水100gには、16gのAと26gのBの両方を同時に溶かすことができるものとします。またAとBを同時に水に溶かしても、AとB以外の物質は生じないものとします。

問1
60℃の水100gに60gのAを加えてよくかきまぜ、その上澄み(うわずみ)液を30gとりました。
(1)この上澄み液の中にAは何g溶けていますか。
(2)この上澄み液30gを、20℃まで冷やしました。このときに溶けきれなくなって出てくる結晶(つぶ)Aは何gになりますか。

問2
6gのAと21gのBがまざったもの(混合物Xとします)を、ある重さの水に80℃で完全に溶かしてから20℃まで冷やしたところ、Bだけが結晶で出てきたので、これをろ過して取り出しました。
(1)混合物Xを80°の水に溶かすためには、水は少なくとも何g必要ですか。
(2)Bだけが結晶として出てきたことから、水の重さの範囲は何g以上何g未満ということになりますか。
(3)(2)で求めた範囲の中で水の重さを変えると、取り出せる結晶Bの重さが変わります。このとき、最大で何gの結晶Bを取り出すことができますか。



(解説と解答)
問1
(1)60℃の水100gにAは20g溶けます。したがって60gのAを入れても40gは溶け残りますので、上澄み液に溶けているAは20gです。
したがって溶液は100gの水とA20gになります。その中から30gを取り出したので、30/120=1/4を取り出したことになりますから、水が25gとAが5g入っていることになります。
30gを取り出した、というのは溶液を取り出したので、その中に水が25gしか入っていないことに注意してください。

(答え)5g

(2)20℃ で100gに溶けるAは12gです。したがって25gの水の場合は
12×25/100=3gしか溶けません。
5−3=2gで2gが出てくることになります。
(答え)2g

問2
(1)80℃では100gの水に対してAは23g Bは70g溶けます。
6÷23/100=600/23=26 2/23gの水が必要です。
21÷70/100=30gが必要なので、多い方が必要ですから答えは30gになります。
(答え)30g

(2)20℃では100gの水に対してA、Bとも12g溶けます。
6gのAは溶けていますから、
6÷12/100=600/12=50g
の水はあります。
Bが21g溶けるためには
21÷12/100=2100/12=175g
の水が必要になりますが、溶けていないので175g未満の水になります。
(答え)50g以上175g未満

(3)取り出す量を多くするということは、溶けないようにする、ということですから、水の量は50gと決まります。
このとき、Bは12×50/100=6gしか溶けません。
したがって21−6=15gのBが溶け残り、ろ過して取り出すことができます。

(答え)15g


「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)


ラベル:化学
posted by gorizou2009 at 16:17 | TrackBack(0) | 水溶液 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする